2019/05/26
計算や漢字が苦手な子どもから発せられるメッセージの裏に隠れているもの。
子どもが、
「ボク、算数の計算カードのタイム早くなりたい!」
「ワタシ、いっぱい漢字かけるようになりたい!!」
と言ってきたら?
算数や漢字の書き取りに不安を抱えているママほど、よっしゃ!がんばろうね!と応援したくなるのが親心、というもの。
・・・
ママ、冷静になりましょう。
安易にお子さんの言葉に乗っかるのは、キケンです。
他人の評価に動かされている、ボクやりたい!
子どもはもちろんのこと、ママでさえも気づいていないこと。
それは、
- 早くできることがすごい!
- 遅い、間違っていることはダメなこと
と友達や先生が言ったこと、取った行動に影響を強く受けている、ということです。
先ほどのセリフに付け足してみましょう。
「(計算カードが遅いボクはダメな子だから、)ボク、算数の計算カードのタイム早くなりたい!」
この行動の元は、他人軸。
外の世界では、勉強以外にも影響を受けてきます。
友達がみんな持っているから、ゲーム買って!
みんなやってるから、うちもやらせてよ!
・・・
子どもからよく聞くセリフですね。
と、同時に「うちの子だけ・・・」とママの不安スイッチが入るきっかけでもあります。
ママまでブレないで
いやいや、子どもにだって意志がある!決める権利がある!とよく自然派育児の方がこの辺りに強く反応されるのですが・・・
12歳までの子どもの判断基準は未熟です。発達過程にあります。
その判断基準の元となる「考える力」をつけている途中なんです。
私は無理やりこちらの言うことを聞かせる、ということを言っているのではありません。
すべて子どもに必要かとその判断をゆだねていいのですか?と聞きたいだけです。
我が子を応援??で育てているもの
「うちの子だけ遅いのはかわいそう。」
「あんなにやりたがっているし、自信になるかもしれない。」
・・・
ハッキリお伝えしましょう。
- 自信にはなりません。
⇒たかだか小学生の計算です。世の中にはすごい人がたくさんいます。いちいちそういった人たちと比べ続けて、自分をジャッジする人生はシンドイですよ。大切なのは、自分の中で納得しているか、満足しているか、です。
- 計算する、漢字を覚える(暗記)というただの処理が早いだけで、考えることを面倒に感じるようになる可能性の方が高いです。
⇒ひたすら覚える、パッパッと計算(処理)する方がラクだからです。考えたり、知らないことにワクワクする喜びを忘れてしまうお子さんも少なくありません。それってもったいないな、って思いませんか?
ママのかける言葉、子どもにさせようとしていることが、我が子の何を育てることになるのか?
をよくよく考えてから、「応援する」という判断をしてほしい。
そこには、
うちの子だけ
も
普通はそうだから
もありません。
実は子どもにこんなママの価値観が伝わっている
「うちの子だけ遅いのはかわいそう。」
「漢字の書き取りがんばろう!」
これ、実は
「遅いあんたはダメな子。」
「漢字書けないあんたはできないダメな子。」
をメッセージとして伝えているという可能性はありませんか??
最初の子どもの言葉の裏の意味、
「(計算カードが遅いボクはダメな子だから、)ボク、算数の計算カードのタイム早くなりたい!」
これをそのまま認めてるんです。
よぉーく自分の心の中をのぞいてみましょう。
それは本当に子どものため?
せっかく子どもが計算カードをやりたいって、やる気を見せたし・・・
子どもを応援しているつもりが、実はママ自身の我が子の勉強に対する不安を解消するためだった、というケースは多いです。
- できない我が子の存在を認められない
- せめて計算(漢字)ぐらいはできていて欲しい
- 落ちこぼれさせたくない
etc
子どもがやりたいと言っているから、は便利な隠れ蓑なんです。
特に【勉強】ということになると、見えなくなることが多いです。
子どもに食べさせるもの、着るもの、受けさせる医療etc、ものすっごく気を遣っているのに、勉強だけは別。
そんなママ、多いです。
【勉強】という言葉に潜む魔物、恐るべし。
サイトーさん。ちはどうしてるの?
これまでエッラソーなこと書いてきましたが、散々応援♪とか言って、長男にはいらんことをさせてきました。
その最たるものが中学受験でしょうか。
- 英検も受験させましたね。
- 彼の特性はプログラミングにはまるわ!と、ロボット教室も行ってましたね。
- 本が好きだからと、毎週山のように本を借りてきてましたね。
みんな最初は本人がやりたい!と言ったことです。
私、いちいち真面目にとりすぎじゃー!
と今ならそう自分にツッコミます。
ちょっと人と違うんだから、その違うところで差別化して、人と違って凄いだろ?で生きていけるような大人になるように育ててましたね。
あぁ、怖い・・・
次男も言ってきますよ。
「○○くん、本読み計算10秒だって!!」
いや、あの量を10秒でできるわけないから、そもそもガセネタなんですけど。
(音声計算とも呼ばれています。足し算・引き算など色々バージョンがあります。もちろんタイムを測ります。)
それを聞いた母は、
「へーぇ。」
これで終りです。
「で、今日新しい靴、履いていったけど、足痛くならなかった??」
とか、フツーに別の話題にサラリと行きます。
長男も次男も数字に対する反応が速いですから、やらせればどんどん速くできるようになります。
ですが、私はそんな原始反応的な能力を伸ばす気はない、というか危険なので、(判断がすぐに行動に直結すること。溜めがない。)家ではそういう話題にならないように気をつけています。
大人が下手な下心出さなくとも、子どもはおもしろかったら、楽しかったら自らやります。頑張ります。
ママが関心を寄せず、知らんぷりしていても、本当に計算カード早くやりたい!と子どもが本気で思っていたら、自分でタイマーセットしてやりますよ。
おやつや遊びを誘っても、
「ボク、計算カードやりたいからいい。」
って言いますよ。
お子さん、そこまでやりたがっていますか?
おわりに
「ボク、算数の計算カードのタイム早くなりたい!」
この表面上の言葉だけにとらわれないでください。
子どもが置かれている状況、表情、口調etc含め、子どもの言葉の裏にあるものを推しはかってみてください。
【見る力】大切なのは見えないもの。必要なのは見えないものを見る力。 見えない何かが一つ変わるごとに、見えるもの全てが変わってしまう。
取りあえず計算だけはできるように、漢字ぐらいは書けるように、と子どもの言葉に乗っかって応援する前に、することはたくさんあります。
その子育てと教育のコツはどんぐり倶楽部に。
はじめてさんには、記事も用意していますよ。