2017/12/13
批判、否定された・・・と落ち込んだ時の対処法。~『聞いてよ!サイトーさん。!』より
今回の「聞いてよ、サイトーさん。!」の参加者さんは、小学生と幼児のお子さんをお持ちのとっても落ち着いた感じのママ。時々ご自宅でどんぐり寺子屋をされていらっしゃいます。
そんなSさんから、ブログやSNS上で、自分に向けての批判的なコメントや、やり取りがあった時の対処法などについて、とても貴重なお話しを伺うことができました。
- 自分のことではないとわかっていても、ネガティブ投稿を見るたびに落ち込む
- どんぐり倶楽部の断定的な口調がストレスだ
などなど・・・。
自分に対する批判や否定に対してはもちろんのこと、ある出来事が『ネガティブ』・『マイナス』だ、と感じてしまい心がザワザワもしくは辛い・・・と感じたことはありませんか?
そんな時、どのように解決したらよいのでしょうか。体験談をもとにそのヒントをお伝えできればと思います。
どんぐりがもっと広がって欲しい。その思いがしぼんでしまった出来事
SNS・ネットが怖い
私はどんぐりを知っていろんな謎が解けて、その理論や内容がすんなり頭に入ってきたタイプだったんです。盲目的にではなく、すべて腑に落ちた、というか。
だから、批判的に思う方の感覚がわからなくて、どう解釈したらこんなに否定的な言葉が出てくるんだろう、って。
その時は、そうか~、こういう風に感じる人もいるんだな~、ぐらいで、それほどショックは感じていなかったけれど、今思うとそれなりにチクリとあったかもしれませんね。
そんな頃に、全く面識のない方からSNSを通してメールをいただいたんです。
文面から想像するに、「私はどんぐりをとってもよく理解しているのよ!」という雰囲気が伝わってくるような方でした。
今思い出しても心が痛いんですが・・・
頂いたメール内容に対して、私としてはこうお伝えすればいいかな?と一生懸命考えてお返事を毎回返したのですが、すべてが想定外の返信内容で・・・
「あなたそんなことも知らない、できないでバカじゃない。」とは書いてありませんけど、そういう風にしか受け取れないような、対話というよりも、言っ放し、意見をぶつけられっぱなし、という感じでした。
結局やりとりも中途半端なままで終りましたが、こんなやりとりをして気持ち悪くないのかな??って。
同時期にSNS上でどんぐり倶楽部や糸山先生や他指導者さん方についての嫌な意見のやり取りがたくさんあったのを目にして、これまでのこととが重なってしまって、本当にしんどくなってしまいました。
ちょっと冷静になろう自分!と言い聞かせないと過ごせないぐらい、辛かったです。
もっとどんぐりをお習字とか、そろばんとか・・・そんなたくさんある習い事の一つとしても、もっと身近な存在にしたい、と、それまではいろんな企画を考えたりしてたんです。
今まで温めていたものにジャーッと水を掛けられたように感じてしまって。
SNS上の親の会の投稿を毎日チェックしていたのが、開けることもできなくなりました。
それまで、どんぐりに関わっている人って、いい人で肯定的で、みんな一緒に力を合わせて頑張っていこうよ!みたいなイメージしかなかったんですね。
サイトーさん。にもそんな経験が?
一日泣いてましたね。何で涙が出てくるのかわからないけど、溢れてきました。
産後うつ以来の発作も出ましたしね。過換気症候群みたいなものです。
あ、相当きてるな、って客観視している自分がもう一人いました。
オットにも、そんな思いをするなら、親の会もブログもやめなさい、って言われましたよ。あはは。
あぁ、想像以上のストレスがかかるんだな~、とか、
元々いい子ちゃん症候群の人だったので(笑)、とにかく一人残らずみーんなに、自分のことをよく思っていて欲しいんだな私、とか、
良い子ちゃんモードはまだ発令されるんだなーとか、
改めて自分を観るきっかけになりました。
すぐにそういう視点になったわけではないですよ。
混乱の真っただ中にいたときは、とにかく外に出よう、と思って次男と一緒に黙々とできる草取りに集中したり・・・
落ち着いたら、ビックリしたね、怖かったね、大丈夫大丈夫・・・とか、『今』の感情にじっくりフォーカスして、それを味わいきる、ということもしてみたり、まぁ、色々やってましたね。
日常生活、家族への影響
子どもだけではなく、ママ友とか人との話し方、気持ちの伝え方をもう一度考え直してみたり・・・自分の中での一番の課題だったことも実践できて、子どもが一番変わったな、と感じたのもこの時期だったんです。
批判・否定しているネットの中の人達の中からも学ぶこと、得たものもありました。
2人の体験からみる、批判されたと感じた時の対処法
『事実思考』という考え方を取り入れてみる
事実思考
単なる一つの事象をどう捉えるかで、ポジティブ思考とか、ネガティブ思考とか言ったりするが、どうもピンとこない。
事実は事実として、そのままそっくり深く的確に受け止めて、次のステップに利用できる材料とすることが普通に健全な捉え方なんじゃないのかな。
「事実思考」とでも言うところかな。普通に、そのままをキチンと分析する。
これが一番強いんじゃないのかな。健全な子育てと教育のヒント❏どんぐり倶楽部の雑記帳 「事実思考」より
例えば、今回のメールのやりとりに関する事実は、
- 面識のない人からメールが来た
- ○○という事実と○×という考えが書いてあった
であって、Sさんもお話しされているように、
- あなた、そんなことも知らないでバカじゃないの?
- 言葉をぶつけられているように感じた
のは、実際にはSさんが想像(思考)して「否定された」「悲しい」「辛い」と感じたことで、事実ではありません。
対面と違い、SNSやメールは、言葉(文字)以外の重要な情報である、表情・口調・視線・身振り・手振りなどの非言語的コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)がほぼありませんから、誤解が生じやすくなります。(それを補うのがスタンプや絵文字でしょうか。)
背景がわからない面識がない方であればなおのこと、ちょっとした言葉の表現でも警戒心がお互いに強まることもあり、事実よりも思考や感情が強く働きやすくなります。
相手に対するイメージ(視覚イメージ)がほとんどできない=見えない=不安、恐怖
なんです。
子どもが暗闇を怖がったり、見通しがつかないことに不安を覚えるのと同じ仕組みです。
●場面や情景を介して痛みや匂いや感情を再現している。やはり、視覚イメージ。
視覚イメージとリンクした状態で味わうことが大事。
秋刀魚を食べるときでも秋刀魚を見て感じながら味わうことが大事。
視覚イメージとのリンクがあると再現性が高くなるから。
視覚イメージがあると安定する。
視覚イメージがないと「得体の知れない~」になる。
不安になる。
確固たる再現が出来ない、自信がなくなる。
全ては見えていないから。
音でも視覚イメージにリンクして再現すれば絶対音感になる。
見えないと「感じているのにワカラナイ」となる。ちょっと簡単なまとめ…3より一部抜粋
そんな時に、この『事実に注目する』という意識を持っていると、感情や次々と湧いてくる思考(想像)から視点をずらすことができますので、随分と心の負担が軽くなります。
もちろん最初からサクッと客観視するなんてことはできませんので、それなりにトレーニングが必要だと思いますけどね。
事実思考は、子育てにおいてもとても役立つ考え方だと思います。
ただ、人格そのものを否定しているような内容であれば、私はそんな人と関わっても時間が無駄なだけなので、スルーしますけどね。
ネガティブな言葉を目にしない
先ほどご紹介した『事実思考』。
これでもうぜーんぜん人の言うことなんて気にならないも~ん♪
なんてことには残念ながらなりません。
逆に、これだけで解決したらお医者さんも心理学もカウンセリングもコミュニケーションスキルも・・・人間関係に関する研究分野や事業はとうの昔に解決済みで無くなってます。(^-^;
事実思考をしよう、客観的になろう、冷静になろう・・・こう思った時点で感情は揺さぶられています。
人間はある言葉や表現に反応して、様々な視覚イメージのみでなく、ネガティブ・ポジティブな感情も一緒に引き出されます。
どんぐり理論でいう、言葉のトリガー理論ですね。
§言葉のトリガー理論
「言葉はイメージを導くための引き金(トリガー)である」というのが「言葉のトリガー理論」です。言葉のトリガー理論より抜粋
楽しく明るいポジティブな言葉より、ネガティブな言葉に人は強く反応するようにできています。
生存本能がそうさせるんだと思います。
自分に危害を及ぼすような対象からは離れていた方が安心できるでしょ?
そして、「反応する」ということはそれだけエネルギーを使いますので、疲れます。
今回、Sさんも私もこれまでの辛い体験を思い起こさせるネットから一時的に離れました。
自分が混乱しているな、と感じたらネットだけでなく、本・テレビなどの情報や苦手だなと思う人や事などと接するのを一時的に控えるのも、これ以上ネガティブなイメージにエネルギーを持っていかれないようにするために必要なことだと思います。
どんぐり理論の0-2歳で作成される回路は子どもだけのものではないんですよ。
<00-02歳>:最初の回路:快感回路→快適→安全安心→安定回路→入力準備完了です。
意識的にストレス発散をする
なんでもないように感じた出来事でも、ネガティブな言葉の影響によるストレスは少~しずつたまっていきます。
Sさんの場合なら、最初にリアルで遭遇した自分には向けられていないけれど、自分がいいな、と思っていることに対する批判的な言葉の数々でしょうか。
美味しいものを食べる、ゆっくり過ごすなど具体的に行動するほか、
「わたしよくやってる~♪」
と声に出して言ってみたり、
「メンドクサイけどきんぴらの千切りするぞ~!!」
とか、いつも子どもの前では言わないようにしている言葉(メンドクサイ)を一人の時に思いっきり言う(笑)とか、そんな感じで地味ですがストレス発散している私です。
●ストレスは必ずあるんです。そして、必ず蓄積するんです。だからストレス発散を計画的に生活の中に入れておくんです。祭りがそうですね。
※ストレス発散は計画的にすると楽しい非日常ですが、放って置いて爆発すると異常事態になります。ストレス発散計画は大人の重要な役目です。
※大人自身にも必要なことですよ。
『今』に集中する~自分の心と体を感じる・味わう~
一時的にネットその他の情報を遮断することで、Sさんの場合は
- 子どもや知人とのコミュニケーションを見直す
- 子どもと自分自身にじっくり目を向ける
という時間が確保でき、子どもと自分自身の成長を感じられる充実した生活ばかりでなく、批判・否定しているネットの中の人達の中からも学ぶことがあった、と受け止められるようにもなりました。
私の場合は、家の中にいるのもグルグルと思考が止められず混乱し息苦しかったので、例えば草取りという目の前のことに集中できる環境を意識的に作ることで、まずは気持ちを落ち着けてから、ワッと一気に湧いてきた感情を一つずつ整理するように、
- ビックリしたね
- 怖かったね
- 大丈夫だからね・・・
など、『今』の感情にじっくりフォーカスして、ラベリングし、まずはそれを味わいきる、ということをしました。
この作業と時間が冷静さを早く取り戻すカギとなったと思います。
事実、産後うつの時に起こした発作よりも、今回の方が持続時間も回復も早かったです。
さらに冷静になったら、一つ一つの感情を取り出して、
「なぜ、悲しかったんだろう?」
と、感情の元になっていた経験や思考を見つめる作業に入りました。
その結果、
- 一人残らずみーんなに、自分のことをよく思っていて欲しい自分
という、小さい時からの良い子ちゃんモード、正しいことをしていると必要以上に認められたい自分がまだまだいることがわかりました。
結構人の目気にしてんじゃん、私。って。(笑)
今の自分の心と体に集中することは、自分の思い込みや新たな発見をもたらしてくれるかもしれません。
そして、もう一つ、自分が批判・否定されたと感じた時の対処法があるのですが、それは後ほどご紹介します。
再び燃え上がるやる気!
何でも話していいよ、受け入れますよ、っていうのが感じられて、話そうと思っていなかった個人的なこともスラスラ~と出てきちゃいました。
また打ちのめされながら(笑)、いろんな案を練っていきたいです。
お話しの中で、具体的なプランをいくつも楽しそうに語ってくださったSさん。
きっと、Sさんの思いは周りに届くはず。
応援しています!
ということで、あと一つ残っている対処法とは・・・
人に話すこと
どちらかというと、愚痴を言い合って終り、という仲よりも、信頼しているお友達や、話しを聴く技術を持っているプロ(コーチング・カウンセリング等)の方に頼って、自分の思考や感情の整理をお手伝いしてくれる方がおススメです。
プロではありませんし、不定期開催となりますが、どんぐらー親の会では私が今回の記事のようにお話しを聴かせていただいてます。
カウンセリングは病気になってから、コーチングは子育てやビジネスで・・・という見られ方が一般的なようですが、特別なことではなく、フツーに利用できる世の中になるといいな、と個人的には思っています。
おわりに
どんぐり倶楽部のホームページの中にある、私の好きな詩を紹介します。
【人生に意味はない】
人生に意味はない
だから、自分の人生には自分で意味を付けていく
自分の人生なのだから
体験談を聴かせていただいて、当時は本当に辛かったと思うんですが、そんなことを感じさせないほど凛としていたSさん。
今回起こった事実に、「学ぶことも多かった」と意味をつけられました。
どんな出来事(事実)も自分で意味はつけられる。
私はこの詩にとっても勇気づけられました。
不安、悲しみ・・・一見ネガティブな体験は辛いけれど、それがあるからこそ、自分の人生は豊かにおもしろくなる、本当にそう感じます。
繰り返しますが、渦中はそんな風に思えませんよ!
子どもだけじゃない、大人にも人生のヒントがいっぱいのどんぐり倶楽部、おススメですよ。